民間介護保険【コメント付き徹底比較・人気ランキング!】(2016年版)

民間介護保険比較の条件

このページでは、民間介護保険核種をFP独自の視点で比較し、その上で選び方のポイントと間違いのない加入方法を説明します。
保障内容は日々新しくなっていくので、変更があった都度更新しています。

 

更新日:2016年11月14日

 

FPが教える民間介護保険を選ぶ際のポイント!

民間介護保険はあまり馴染みのない保険でありますが、選ぶ際に気を付けておきたいポイントは2つあります。

  • 各保険で給付のための基準に違いがあることを理解しておく
  • 老後資金とは別々に確保するかどうかを考慮する

民間介護保険はまだ浸透しきっていない保険であるため、選ぶ際には特に専門家の力を借りたい保険でもあります。
そした点を踏まえ、まず選び方のポイントの詳細をページ下部で更に詳しく説明しています。

 

≪比較条件≫

比較に際しては、できるだけ条件を同じにするために以下の条件で比較しています。
ただし、民間介護保険は保障内容が各社異なることが多いため、条件が異なる場合には、比較表に記載します。

    民間介護保険比較の条件

  • 年齢は30歳、40歳、50歳
  • 確保する一時金額は原則500万円
  • 保障期間は終身
  • 払込終了期間は終身
  • 性別は男性

民間介護保険は、要介護状態になった際に一時金が支払われるタイプの保険です。
今回は、支払額は保証額を500万円で設定しました。
(一部異なるものもあります。)

 

評価方法

比較は、管理人がそれぞれの保険について星の数で5段階で評価・ランク付けをしていきます。

【最もおすすめ】素晴らしい。最もおすすめの民間介護保険
【おすすめ】非常に良い。加入して間違いないおすすめの民間介護保険。
【ややおすすめ】良い。加入を検討したい民間介護保険。
【普通】普通。特に入る必要のない民間介護保険。
【おすすめできない】検討外。おすすめできない民間介護保険。

また、特におすすめのものについては表内で1位、2位、3位までをランク付けしています。

 

要介護状態の認定について

また、要介護状態の認定方法が保険会社により

  • 公的介護保険と連動するもの 【公的連動】
  • 生命保険会社独自の基準があるもの 【独自基準】

とわかれるため、その違いを明記しました。

 

保険の種類について

加えて、民間介護保険には、

  • 掛捨てで貯蓄性のない【掛捨てタイプ】
  • 終身保障の【終身保険タイプ】
  • 終身保障で貯蓄性もある【終身保険+貯蓄タイプ】

の3種類があるため、コメントの最後に保険の種類も記載しました。

 

T-PECの付帯について

更に、T-PECお健康相談サービスが付帯するものには【T-PECあり】マークを付けています。
T-PECの詳細についてはセカンドオピニオンサービス【T-PEC】とはで詳しく紹介しています。

 

なお、比較一覧の下に「内容充実でかつお得な『民間介護保険』に見直し・加入するためのポイント!」も書きました。
あわせてご覧ください。

民間介護保険比較 全14社

(保険会社名で50音順)

 

保険会社 保険商品
評価
年齢

保険料 コメント
あいおいニッセイ同和損保 介護補償特約付
健康総合保険
介護の保険

【おすすめ】

【公的連動】
30歳 6,310円 販売終了。
項目保険の種類 : 掛捨てタイプ
40歳 8,950円
50歳 13,760円
アクサ生命 介護終身保険
賢者の備え

【普通】

【独自基準】
30歳 8,325円 独自基準の要介護状態になった時に、一時金が支払われるタイプの保険。独自基準は、概ね公的介護保険の要介護4程度であり、一時金が支払われる基準は厳しい。ただし、終身保険となるため掛捨てとはならず、特約を付加すれば途中から個人年金に移行もできる。返戻金もあるが、返戻率は60%程度。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 11,125円
50歳 15,835円
朝日生命 あんしん介護
【一時金タイプ】

【ややおすすめ】

【公的連動】
30歳 -円 【一時金額1,000万円で算出】掛捨てのため保険料が安いうえに、要介護1から以後の保険料の支払いが免除されるため、非常に安心感が高い。ただ、一時金タイプの場合、一時金の支払いが要介護3以上となるため若干要件が厳しい。そのため、要介護1から年金が支給される、同保険の年金プランの方が良い。
項目保険の種類 : 掛捨てタイプ
40歳 5,990円
50歳 9,070円
朝日生命

おすすめ2位

あんしん介護
【年金タイプ】

【おすすめ】

【公的連動】
30歳 -円 【年金額60万円で算出】掛捨てのため保険料が安いうえに、要介護1から以後の保険料の支払いが免除される。更に、要介護1から介護状態に応じた年金を一生涯受け取ることができる。格安の保険料で生活を圧迫することなく、将来の介護の日々の出費に備えたい場合には最もお勧め。
項目保険の種類 : 掛捨てタイプ
40歳 3,666円
50歳 4,920円
アフラック

おすすめ3位

WAYS
(ウェイズ)

【おすすめ】

【公的連動】
30歳 9,235円 【65歳払込済みで算出】終身保険であるが、払込満了後の受取方法の選択肢として、介護年金コースがある。介護年金コースは、公的介護保険の要支援認定以上で5年間毎月7〜9万円程度の年金が受取れる。要支援以上で支払われる点は他社にはなく、終身保険でありながら幅広く介護リスクに備えることができる。
項目保険の種類 : 終身保険タイプ
40歳 13,720円
50歳 24,100円
アフラック スーパー介護
年金プランVタイプ

【ややおすすめ】

【独自基準】
30歳 3,066円 【年金額60万円で算出】公的介護保険と連動しない独自の支払い基準があり、他社商品より介護年金を受け取れる範囲が広くなっている。また、60歳又は65歳の段階で、保障を継続するか、年金として受け取るか、一時金として受け取るかが選べて利便性が高い。
項目保険の種類 : 掛捨てタイプ
40歳 4,248円
50歳 6,282円
AIG富士生命 愛する家族のために いざという時こどもの世話になりたくない保険
【普通】

【公的連動】
【T-PEC有り】
30歳 -円 掛捨てタイプの民間介護保険であり格安。公的介護保険と連動し、一時金が支払われるが、その認定が要介護4からと他社に比べて厳しいものとなっている。ただ、T-PECが付帯するため、いざという時のお守り的な保険としては使えるが、やはり認定が厳しいといざという時に使えないこともありえるため他社の方が良いだろう。
項目保険の種類 : 掛捨てタイプ
40歳 3,000円
50歳 4,400円
ジブラルタ生命 介護保障付
終身保険

【ややおすすめ】

【公的連動】
30歳 20,870円 介護保障と死亡保障がセットになった終身保険。特徴は、要介護2以上となると、死亡保険金額の半分の介護保険金が受け取れ、以後の保険料は免除となり保障が継続すること(その後死亡保障は半分となる。)低解約返戻金型であり、満期後に解約すれば解約返戻金も出るため、老後資金用としても使うことができる。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 32,990円
50歳 71,600円
ソニー生命 5年ごと利差配当付
終身介護保障保険

【おすすめ】

【公的連動】
30歳 53,500円 介護保障と貯蓄性を兼ね備えた保険。介護事由の認定は公的介護保険と連動し、要介護2からと対象範囲は広め。死亡保障と解約返戻金もあり、また、要介護状態となれば一生涯年金を受け取れる。保険料が高いのがネックだが、保険料を掛捨てにしたくない場合にはこれ。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 70,500円
50歳 99,000円
ソニー生命 低解約返戻金型
終身介護保障保険

【普通】

【公的連動】
30歳 26,000円 公的介護保険と連動し、要介護2以上と認定されたら一時金と、一生涯の年金が受け取れる。払込後の返戻金が少なく貯蓄性がほとんどない分、同社のもう1つの介護保険(上記)より割安だが、保障としては一生涯の年金と手厚いためそれでも高額ではある。返戻金を求めないなら、保険料の安い他社の掛捨て型の方が良いだろう。
項目保険の種類 : 終身保険タイプ
40歳 36,000円
50歳 53,000円
東京海上日動あんしん生命

おすすめ1位

長生き支援終身
最もおすすめ

【公的連動】
30歳 10,770円 【65歳払込済みで算出】要介護2状態で死亡保険金と同額の一時金が支払われる。そのため、終身死亡保険に介護保障がプラスされるような形となる。低解約返戻型の終身保険であるため、払込期間満了後には解約返戻金がアップする。40代までは保険料が比較的割安なため、死亡保険に加え、終身の介護保障も確保でき良い。
項目保険の種類 : 終身保険タイプ
40歳 17,090円
50歳 36,160円
三井住友海上あいおい生命 積立利率変動型終身保険
【おすすめできない】

【独自基準】
30歳 15,480円 【死亡保障額1,000万円で算出】終身死亡保険の払込満了後に、払込額を介護年金に移行できる。その場合、年金額は年額で最高80万円程度となる。後述の特約付加型とは異なり、同社独自の認定基準となる。介護保険として考えると割高なため、介護保険として加入する必要は見いだせない。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 20,020円
50歳 27,150円
三井住友海上あいおい生命 積立利率変動型終身保険
-終身介護保障特約-

【ややおすすめ】

【公的連動】
30歳 18,354円 【年金額60万円で算出】終身保険に特約として介護保障を付加できる。要介護2以上で、年金額と同額(又は最高4倍)の一時金と、一生涯の年金を受け取ることができる。ただし、払込免除特約とは同時に付加できない点は注意が必要。介護リスクにも備えつつ、終身死亡保険にも加入したい場合には良い。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 23,704円
50歳 32,520円
メットライフ生命

(前:メットライフアリコ)
ロングタームケア
【ややおすすめ】

【独自基準】
30歳 -円 【年金基準額100万円で算出。65歳払込済みで算出】認知症も保障するタイプの介護保険。独自の基準により、介護一時金や介護年金を受け取ることができる。また、払込満了時に払込金を原資として個人年金にすることができる。認知症にも対応できる保険は珍しいため、要介護状態に加えて認知症にも備えたい場合には良い。
項目保険の種類 : 終身保険+貯蓄タイプ
40歳 19,040円
50歳 31,850円

 

内容充実でかつお得な『民間介護保険』に見直し・加入するためのポイント!

給付条件が厳しすぎではないか

介護保険のイメージ

民間介護保険を考える際に重要なのが
「支給要件・支給事由」
です。

 

これらは、介護保険金が支払われるための基準のことです。
これらには2つのパターンがあります。
1つ目は、公的介護保険と連動するもの
2つ目は、生命保険会社独自の基準があるもの
です。

 

支給要件が公的介護保険と連動するもの

支給要件が公的介護保険と連動するものは分かりやすいです。
公的介護保険の介護基準に該当した場合に、民間介護保険の保険金が支払われることとなります。
そして、その場合は、対象となる公的介護保険の基準が低い方が要件としては緩いことになります。

 

生命保険会社では、概ね

  • 要介護4以上
  • 要介護2以上

のどちらかの場合に、保険金が支払われるとなっている場合が多いです。

 

ですが、稀に

  • 要介護1以上(朝日生命『安心介護-年金タイプ-』)
  • 支援以上(アフラック『WAYS』)

が支給要件となっているものがあります。
これらは支給要件としては緩い(介護保険金が支給されやすい)ものといえます。
(「要支援」は「要介護」よりも軽い状態です。)

 

支給要件が緩い方がもちろん利便性は高くなりますので、必要な保障内容と照らし合わせてどの程度の要介護状態に備えるかを考えてみてください。

 

支給要件が生命保険会社独自の基準があるもの

公的介護保険と連動せず、生命保険会社独自の支給事由をもつ商品もあります。

 

そうした場合、

  • 公的介護保険より保障範囲が広いもの(公的介護保険より基準が緩い)
  • 公的介護保険4程度の基準となるもの(公的介護保険としても基準が厳しい)

と分かれるため、
独自の基準がどの程度のレベルを示しているのかを事前に確認することが重要です。

 

老後資金と介護資金を別々に確保するかどうか

老夫婦のイメージ

介護保障を確保する場合には、主に2つのパターンがあります。

 

1つ目が、老後に向けた貯蓄と介護保障を同時に確保する場合
2つ目が、貯蓄とは分けて介護保険に単独で加入する場合

 

です。
老後に向けた貯蓄があるかないかで保険料が大きく変わるとともに、介護リスクへの備え方も変わってきます。

 

老後に向けた貯蓄と介護保障を同時に確保する場合

老後に向けた貯蓄と介護保障を同時に確保する場合には、死亡保障+満期後の解約返戻金+介護保障がセットになった民間介護保険に加入します。
(上の比較表で「終身保険+貯蓄タイプ」と書いたもの。)

 

こちらは、高い保険金を払う代わりに、払込完了後に解約することで満期金を受け取ることができます。
いわば、老後を養う養老保険としても使うことができるわけです。
ただし、その場合、解約後には介護保障はなくなってしまいます。

 

もちろん、解約しなければ、死亡時に死亡保険金が支払われ、介護保障も継続されます。

 

このタイプは、払込完了後に支払った保険金の扱いを選ぶことができることになります。
悪く言えば、老後には貯蓄か介護かのどちらかを選ぶ必要があるという事になります。

 

貯蓄とは分けて介護保険に単独で加入する場合

介護保険に貯蓄性を持たせない場合には、介護保障のみを単独で確保するタイプの民間介護保険を選びます。
老後の貯蓄を兼ねない民間介護保険がそれに該当します。
その場合の加入例としては、以下の2通りがあります。

  • 終身死亡保険+介護保障(上の比較表で「終身保険タイプ」と書いたもの。)
  • 介護保険のみ(上の比較表で「掛捨て険タイプ」と書いたもの。)

 

貯蓄性のない民間介護保険に単体で加入する場合、貯蓄を兼ねないため保険料が割安となります。
また、別で貯蓄性のある保険に加入すれば、老後の貯蓄と介護保障とを併存させることができます。

 

個人的には、老後に向けた貯蓄と介護保障は別々に備えておきたいと考えています。
(貯蓄は早い内から始めておきたく、介護にはある程度生活に余裕が出てから備えておきたいため。)
そのため、介護保険には、単独で加入するのが良いでしょう。

 

民間介護保険だけで介護に備える訳ではない!

介護のイメージ

民間介護保険は、公的介護保険だけでは足りない部分の介護費用に備える保険です。
民間介護保険だけで介護に備える訳ではないため、あくまで保険料が高額になりすぎないように加入することが大切です。

 

公的な保障や貯蓄状況も踏まえながら、あくまで保険料支払い期間の負担が大きくならない範囲で備えておきましょう。