全労済の「こくみん共済」と「医療保険」どっちに入るべき?

こくみん共済?医療保険?

こくみん共済と医療保険のどちらで入院に備えるべき?

 

保険を考えるにあたって、全労済のこくみん共済と、保険会社の医療保険のどちらに入ろうか迷っています。
こくみん共済は、保険料も安くて保障もしっかりしていると聞いたんですが、どちらに入るのが良いでしょうか?


 

安い生命保険として、共済の保険があります
その中でも人気なものが全労済のこくみん共済です。

 

共済は、割安な保険料で死亡保障や医療保障を確保できるものです。
特に、就職したての若い方や、新婚さんなどで加入をすすめられたり、検討する方は多いと思います。

 

こくみん共済は、主に怪我や病気の保障を得意とする保険です。
ただ、怪我や病気を補償する保険は共済だけではなく、多くの保険会社も扱っています。

 

では、全労済のこくみん共済と、保険会社の医療保険がどちらが良いのか。
比較していきます。

 

ガチンコ比較!こくみん共済 VS 医療保険

こくみん共済と医療保険を比べてみよう

こくみん共済と保険会社の医療保険を比べていきます。

 

こくみん共済は様々なプランがありますが、最も保険会社の医療保険に近い
「こくみん共済 医療安心タイプ」
を用いて比較します。

 

保険会社の医療保険としては、私が加入した医療保険である
「メットライフ生命(旧メットライフアリコ) 新終身医療保険-フレキシィ-」
を用いて比較していきます。

 

保険会社の医療保険の保険料を算出するにあたっての条件は以下のとおりです。

【比較条件】
  • 年齢性別 : 30歳男性
  • 入院日額 : 5,000円
  • 付加特約 : 先進医療特約、通院保障特約
  • 払込期間 : 終身

 

なお、以下の比較表では優れていると思われる方に

  
この色を付けています。

医療保険とこくみん共済の比較表
保険会社名
商品名

フレキシィ

メットライフ生命
フレキシィ

「こくみん共済」

全労済
こくみん共済 医療安心プラン
入院日額保障 5,000円 6,000円
入院日額限度日数 1入院60日目まで 1入院180日目まで
手術一時金額 10万円または2.5万円(一律) 6万円(一律)
先進医療特約 2,000万円まで+一時金5万円 600万円まで
死亡給付金 なし 50万円
通院保障 1通院3,000円(入院後の通院) 1通院2,000円(入院問わず)
その他特約 がん特約、死亡特約 無し
その他特記事項 T-PECのセカンドオピニオンサービスが付属 無し
保障される期間 終身(一生涯) 定期(掛け捨て)
解約返戻金 無し 若干の返戻金有り
月額保険料金 2,063円 2,300円

 

比べてみていかがでしょう?

保障を比べてみると、以上のようになっています。
見てみてどのように感じたでしょうか?

 

それぞれ優れている面があり、どちらも一長一短であるように見えます。
保険料もそこまで大きくは変わりません。

 

ただ、医療保険のメインである「入院保障日額」が、こくみん共済の方が1,000円だけ多いです。
でも、だからといって、単純にこくみん共済の方が優れいている!というわけではありません

 

こくみん共済には、共済保険に多い医療保障を考える上での大きな大きな落とし穴があります。

知らない人が多い?こくみん共済の大きな大きな落とし穴

こくみん共済のこわーい落とし穴…

こくみん共済に存在する大きな落とし穴、それは

 

保障が60歳から減少して、70歳までしか共済に加入できない

 

という点です。

 

70歳までしか加入できないとはどういうことなのか!?

60歳から保障が減少して、70歳までしか加入できないとは、次のようなことです。
医療安心プランは、

  • 60歳から「医療安心60歳移行プラン」に
  • 65歳から「医療安心65歳移行プラン」に

自動で移行します。
そして、医療安心65歳移行プランは、70歳まで更新可能ですが、それ以降は一切加入できなくなります。

「こくみん共済」の移行プラン

このように、全労済のこくみん共済では70歳以降の病気やけがの保障は確保できません。
すなわち、一生涯の医療保障としては活用することができないのです。

 

問題は保障の終了だけではない

また、こくみん共済の問題は保障が継続できなくなるだけではありません。
60歳以降は保障自体も小さくなっていきます。

加入可能年齢 0〜60歳 60〜65歳 65〜70歳 70歳〜
プラン名 医療安心プラン 医療安心60歳
移行プラン
医療安心65歳
移行プラン
-
入院保障 6,000円 3,000円 2,000円 更新・加入不可
手術一時金 60,000円 30,000円 30,000円
先進医療 600万円まで 300万円まで 300万円まで
死亡保障 50万円 20万円 15万円
通院保障 2,000円 保障なし 保障なし
月保険料 2,300円 2,300円 2,300円

赤字にした部分が、保障内容が減少している部分です。
このように、こくみん共済は60歳以降に、保障内容がどんどん減少していきます。
しかし、保険料は2,300円のままのため、

  • 保障の減少
  • 保険料の据え置き

という2つの意味で、保障が小さくなっていってしまいます。

 

そして、70歳以降は全く加入することができなくなります。
この70歳というのは、新規加入ができなくなるという意味だけではありません。
それまで加入していた人も、契約更新ができなくなります。
よって、70歳以降は全く保障がなくなってしまいます。

 

入院が増えるのは60歳以降

保障が60歳以降に無くなっていってしまうのは、実際に入院することが増える年齢を考えると大問題です。
厚生労働省の調査によると、病気やけがを理由とした入院が増えるのは、60歳以降となっています。

≪年齢別入院人数≫

 

 

年齢別入院人数

出典:厚生労働省『平成23年 患者調査』(PDFのため注意)

 

これから医療保障が必要となる時期に、保障が先細りし、遂にはなくなってしまうわけです。
これって、医療保障としては致命的な問題だと思いませんか?

こくみん共済には終身医療保障はあるもののとても足りない…

全労済の終身医療保障とはどんな内容?

入院を考える女性

全労済のこくみん共済にも、終身医療保障が存在します。
「終身医療5000」というプランです。

 

ただ、このプランも終身医療保険として考えると物足りません。

 

まず、保障内容は以下のとおり2つしかありません。

保障内容 保障金額
入院保障日額 5,000円
手術一時金 50,000円

【参考】全労済『終身医療5000

 

この保障内容で25歳加入時の保険料は2,020円です。
保険料は終身払いです。一生涯支払うことになります。
こちらは終身医療保険ですが、この保険のみでは一生涯の医療保障としては保障内容が物足りません。

 

対して、先ほどのメットライフ生命の「新終身医療保険」は、保障が手厚くて保険料は2,396円です。

 

しかも、メットライフ生命の場合この保険料を60歳まで払い込めば、60歳以降は保険料を支払う必要なく保障が一生涯続きます。
こくみん共済のように、保険料を一生涯払い続ける必要はありません。

こくみん共済と医療保険それぞれのメリット・デメリット

それぞれのメリットとデメリットをまとめてみてみよう

ここで、全労済のこくみん共済と、保険会社の医療保険のメリットとデメリットをまとめてみます。
それぞれ、次のようなメリットとデメリットがあります。

 

全労済 こくみん共済のメリット・デメリット

こくみん共済

メリット
  • 入院日額保障が6,000円と一般的な医療保険より1,000円多い
  • 入院日額保障日数が180日と長い
  • 死亡時一時金がある

 

デメリット
  • 70歳以降は保障を継続することができない
  • 終身医療保険プランは保障内容の割に保険料が割高
  • 定期型(掛け捨て)の保険であるため、支払いをやめれば保障は受けられなくなる

 

メットライフ生命 新終身医療保険のメリット・デメリット

メットライフ生命

メリット
  • 保障期間が一生涯となっている終身保険である
  • 60歳で払い終わるように設計しても保険料はこくみん共済より割安
  • T-PECという健康相談サービスの付帯サービスがある
  • 先進医療保障が手厚い

 

デメリット
  • 死亡一時金が出ない
  • 入院日額保障日数が60日とこくみん共済より短い

 

以上が、それぞれのメリットとデメリットです。
これらを踏まえて、こくみん共済と医療保険のどちらに加入するのが望ましいのかの結論を出します。

全てをふまえて、こくみん共済が良いのか、医療保険が良いのか

こくみん共済と医療保険の比較の結論

ポイント

医療保険に入るなら、間違いなく保険会社の終身医療保険に入るほうが良いです。
こくみん共済のみでは、老後の医療保障として不足します。
こくみん共済のみに加入中の方は、見直しの検討をおすすめします。

 

今まで見てきたとおり、こくみん共済は、60歳移行で保障が減少してしまい、70歳以降加入できなくなります。
そのため、老後に本当に必要となる医療保障としては致命的に保障が足りません。

 

その点、保険会社の医療保険であれば、一生涯同じ保障が続きます。
また、終身払いもできますが、60歳までに保険料を払い込んでしまい保障だけをずっと持ち続けることもできます。
そして、早目に加入すれば保険料もこくみん共済とさほど変わりません。

 



 

 

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