医療保険が不要って本当?貯金だけで入院に対応できるのか!?

医療保険は不要なの?

貯金だけで入院に備えられる?

 

「医療保険はいらない」と言う話を聞きました。
保険料を払わずに貯金をしたほうが良い、といわれたんですが本当ですか?


 

貯金だけで入院に備えられるのか?

医療保険が必要か不要か、と言う点についてはよく議論されることです。

 

確かに、私が保険相談をした際、FPさんも
「お金持ちであれば保険は不要」
と話していました。
お金持ちは保険に入る必要がないって本当?

 

医療保険が不要とされる理由は、その分を貯金しておけばそれで対応可能という点にあります。
ただ、実際に貯金だけで対応できるのかは判断しづらいところです。
入院費用がどのくらい必要となってくるのかを見ながら、考えていきます。

 

入院時にはどんなお金がいくらくらい必要になるのか

入院時に必要となるお金は大きく分けて2つ

ポイント

入院時に必要となってくるお金は次の2つにわけることができます。

  • 医療費(健康保険適用)
  • 自己負担額(健康保険適用外)

この2つです。

 

以下ではそれぞれどの程度必要になるのかを見ていきます。

 

医療費(健康保険適用)

入院

まず、健康保険が適用となる「医療費」の部分です。
これには、

  • 治療費
  • ベッド代

と言ったものが含まれます。

 

医療費は、疾病ごとに異なってきますので、それぞれ見てみます。
次のようになっています。

 

なお、次の表の「平均医療費総額」とは、健康保険適用前の10割部分の金額となっています。
そのため、実際の負担額は3割程度となります。

 

疾病別の平均的な入院日数と医療費総額
疾病名 平均入院日数 平均医療費総額 健康保険適用後自己負担額※
胃がん 15.6日 869,587円 86,125円
直腸がん 16.3日 1,049,132円 87,921円
肺がん 14.3日 769,980円 85,130円
乳がん 10.2日 727,213円 84,702円
急性心筋梗塞 14.9日 1,974,980円 97,180円
肺炎 14.4日 610,894円 83,539円
脳梗塞 26.7日 1,430,877円 91,739円
脳出血 30.1日 2,131,498円 98,745円
糖尿病 18.6日 609,901円 83,529円
胃潰瘍 10.7日 517,644円 82,606円
急性腸炎 5.5日 220,801円 79,638円
急性虫垂炎 7.6日 532,933円 82,759円
白内障 4.1日 317,915円 80,609円
子宮筋腫 8.9日 711,595円 84,546円
腎結石・尿管結石 4.3日 340,665円 80,837円

【出典】公益財団法人 全日本病院協会『医療の質の評価・公表等推進事業
※健康保険制度の高額療養費制度が適用になった場合の金額です。
高額療養費制度は、一般的な所得の方の場合で計算しています。

 

自己負担額は9万円前後

以上のとおり、健康保険が適用になることで、医療費の支払額は概ね9万円前後となりました。
所得が多い方の場合は自己負担額はもっと増えますが、それでも支払額は一定額に抑えられます。

 

これだけを見ると完全に貯金で対応できそうにも思えます。
ただ、まだこれ以外に必要となってくるお金があります。
自己負担額(健康保険適用外)」です。

 

自己負担額(健康保険適用外)

保険適用外の自己負担額とは、その名のとおり、健康保険が適用とならない費用です。
入院時の保険適用外の自己負担額は概ね次のとおりとなります。

入院中の食事

  • 食事代
  • 差額ベッド代
  • 家族の交通費

 

食事代

食事代は入院中の食事にかかる費用です。
これは、1食当たりの値段が法律で決まっています。

 

一食当たり260円となっており、1日の限度額は3食分で780円です。
【出典】協会けんぽ『入院時食事療養費

 

上記は、会社員の方が加入している「協会けんぽ」の金額ですが、国民健康保険でも、共済組合でも同じ金額です。

 

差額ベッド代

入院時に、基準内の病室に入院する場合には、ベッド代は健康保険の適用となります。
しかし、基準を超える部屋に入院した場合には、「特別療養環境室料」とう、いわゆる「差額ベッド代」がかかります。
病院の差額ベッド代とは?

 

差額ベッド代は、個室だけではなく4人部屋でも発生する場合があります。
その場合の自己負担額の平均は次のようになっています。

部屋の種類 1日あたり平均負担額
1人室 7,478円
2人室 3,043円
3人室 2,704円
4人室 2,325円
全体の平均 5,820円

【出典】中央社会保険医療協議会『第248回総会 主な選定療養に係る報告状況』(PDF)

 

部屋の種類により金額は異なりますが、1日あたり概ね5,820円が必要となってきます。
この金額は入院している間発生し続けるので、大きな負担となります。

 

家族の交通費

家族が病院までお見舞いやお世話にくる際にも交通費がかかります。
この金額についてはそれぞれですが、1回当たり概ね1,000円程度は必要です。

 

実際、私も父の入院時にはほぼ毎日病院に通いましたが、雑費も含めると1,000円以上は負担していました。

 

3つをまとめると

以上をの3つをまとめると、1日あたりの健康保険適用外の自己負担額は次の金額になります。

 

780円(食事代)+5,820円(差額ベッド代)+1,000円(交通費)
=7,600円

 

このように、健康保険適用外の自己負担額は1日あたり7,600円となりました。
この金額が、先程の医療費(健康保険適用)に加えて必要となります。

最終的に傷病ごとに必要となる自己負担額

最終的な自己負担額の目安とは?

ここまで見てきた

  • 医療費(健康保険適用)
  • 自己負担額(健康保険適用外)

の2つを、それぞれ合算して、疾病ごとの自己負担額を計算してみます。

 

自己負担額(健康保険適用外)については、先程の7,600円に平均入院日数を掛けて計算しています。
なお、計算するにあたり入院日数は四捨五入しています。

 

疾病別の平均的な入院日数と自己負担額の目安
疾病名 平均入院日数 自己負担額目安
胃がん 15.6日 207,726円
直腸がん 16.3日 209,521円
肺がん 14.3日 191,530円
乳がん 10.2日 160,702円
急性心筋梗塞 14.9日 211,180円
肺炎 14.4日 189,939円
脳梗塞 26.7日 296,939円
脳出血 30.1日 326,745円
糖尿病 18.6日 227,929円
胃潰瘍 10.7日 166,206円
急性腸炎 5.5日 125,238円
急性虫垂炎 7.6日 143,559円
白内障 4.1日 111,009円
子宮筋腫 8.9日 152,946円
腎結石・尿管結石 4.3日 111,237円

 

以上のように、11〜33万円程度が自己負担額の目安となります。
ただ、もちろん入院日数や治療方法により金額は異なってきます。
あくまで目安としてご覧ください。

果たして貯金で入院時の自己負担額に備えられる?

対応可能な金額と感じますか?

ここまで見てきたうえでの問題は、先ほどの11〜33万円の自己負担額に貯金で対応できるのか、です。
この金額は多いと感じたでしょうか?
思ったよりも少ないと感じたでしょうか?

 

感じ方は人それぞれですが、金額自体は決して少ない金額ではないですよね。
そして、いざという時にこの金額を「ポン」と貯金から出すのはなかなか難しいと考えられます。

 

保険と預貯金の使途の違い

そもそも保険と預貯金は、お金の性質が異なります。
保険と預貯金の違いでも紹介していますが、預貯金には使い道の制限がありません。
対して、医療保険は入院時が主な使い道となります。

 

つまり、保険は入院の時しか使えませんが、預貯金はどんな時でも使うことができます。
そのため、預貯金で対応しようと思っていても、いざその時が来たら使える余裕がないということもあり得るのです。

 

預貯金の使い道には様々なものが考えられます。

家族

  • ローンの返済
  • 子供の学費
  • 住宅の購入
  • 老後の生活費
  • 子供の結婚資金

これらの出費が必要になった際、11〜30万円と言うお金を「ポン」と出せるでしょうか?

 

自営業の方の場合更に大変

会社員や公務員の方であれば、休業中も健康保険組合から休業補償が受けられます。
会社員の休業補償「傷病手当金」とは

 

しかし、自営業の方が入院した場合、休業中の補償がないため、預貯金を取り崩して対応する必要があります。
そうなってくると、入院費用はかなりの痛手になります。

 

その際に医療保険に入っていれば、入院時に必要な費用の保障が受けられます。
もちろん、毎月保険料を支払う必要はあります。
ただ、医療保険の比較ページにもあるとおり、早めに加入すれば月1,000円台から加入することができます。
入院時に数十万円を用意するのは大変ですが、保険料を毎月数千円捻出くらいなら何とかなるはずです。

 

「保険料の分を貯金しておけば良い」はかなり厳しい

困る人

医療保険が不要であるとする理由の1つとして
「保険料の分を貯金しておけば良い」
というものがあります。

 

確かに、保険料を貯金しておけばそれなりの金額にはなります。
しかし、保険料を何十年も毎月貯金し続けることができるでしょうか。
かなり難しいはずです。

 

また、子供が産まれて出費が増えるようになると、保険料の分も出費に回る可能性があります。
そうすると、いざ入院する時に、その時のための貯金ができていない可能性があります。

 

「貯金をしておけば良い」とは言いますが、実際にそれを行うのはかなり難しいです。

結論として医療保険は必要なのか?不要なのか?

医療保険は必要!

ここまで見てきたうえで、医療保険が不要かどうかの結論ですが、

 

医療保険は必要です。

 

入院時には預貯金でも対応できますが、実際にその時にお金の余裕があるかは別問題です。
病気やケガはいつ起こるかわからない以上、起こった時に余裕があるかどうかは分からないのです。
そのため、よほどお金に余裕がある場合を除き、医療保険は必要です。

 

医療保険は、加入さえしておけば、いざという時にその時の事情は関係なく保障が受けられます。
終身タイプのものに加入しておけば、保険料も掛け捨てにならずに無駄がありません。
医療保険を考える際の参考になれば幸いです。

 


私が保険に入った際、無料保険相談会社に相談した事で自分に合う保険に加入できました。
保険のプロが、たくさんの保険の中から無料であなたにピッタリの医療保険を教えてくれます。
私が実際に相談した7社のうち、次の3社が特におすすめです。

「Lifull保険相談」公式サイト画像

私が実際に保険の契約をした無料保険相談会社。
相談時には、保険のメリットだけでなくデメリットもしっかり説明してくれた。
「他のFPさんの話も聞いてみて、もし私で良ければいつでもご連絡下さい!」
と言ってくれて、保険の勧誘はせず、常に相談者を気遣った提案をしてくれた。
そうした点等、相談を通してとても信頼でき、Lifull保険相談に契約をお願いした。
その結果、現在は自分に合った医療保険に加入できてとても満足している。

その後も複数の保険見直しをお願いしたが、その都度最適な保険を提案してもらえてとても助かっている。
また、加入後にも住所変更や等にすぐ対応してくれて、お願いして正解だった。
項目取扱い保険数 店舗により異なる


⇒「Lifull保険相談」の詳細はこちら

「保険のビュッフェ」公式サイト画像

訪問型の保険相談サービス。
担当してくれるFPさんが、他の保険相談サービスや保険会社で働いた経験がある方が多く、提案や相談に関してベテランな方が多い印象を受けた。 保険の知識が豊富で、しつこい勧誘を行わなないFPとのみ提携しており、実際に私が相談した際には、自分でしっかり考えられる時間を取って次の相談日を設定してくれた。
自宅やファミレス等、幅広い場所での相談に対応してくれる。
他の保険相談のセカンドオピニオンとして相談するのにもおすすめ!
項目取扱い保険数 担当FPにより異なる


⇒「保険のビュッフェ」の詳細はこちら

「みんなの生命保険アドバイザー」公式サイト画像

各保険の違いにしっかりと触れながら、的確に必要な保険を説明してくれた。
取扱い保険数が多く、相談者の目的に応じた豊富な提案が受けられる。
また、ライフプランに沿った提案をしてくれたのも印象的だった。
しつこい勧誘も一切なく、受けられる相談の質が高いと感じる。
他2社と甲乙つけ難く、他社とあわせて利用し比較して契約しても良い。
(私は実際に複数社をセカンドオピニオンとして利用しました。)
項目取扱い保険数 30社


⇒「みんなの生命保険アドバイザー」の詳細はこちら


無料保険相談会社 医療保険提案力No1

「Lifull保険相談」公式サイト画像

⇒「Lifull保険相談」の詳細はこちら


 


 

より深く医療保険を知るのにおすすめのコンテンツ

 

私が入った保険の保険証券

凝り性な私が悩みに悩んで入った医療保険「メットライフ生命(旧:メットライフアリコ)」の「新終身医療保険」をご紹介します。同社の「フレキシィ」の前身の保険です。保障内容や保険料、便利な付帯サービスを分かりやすく説明します。


 

ランキングの説明

終身医療保険は案外安いものですが、各社その保障内容が異なります。私は実際に終身医療保険に加入する際に内容や相場を徹底的に調べて比較しました!その経験をもとに、安くて最も優れているおすすめの終身医療保険を全件独自のコメント付きでご介します!


 

入院中の女性

入院の際に意外とお金がかかるのが「差額ベッド代」です。差額ベッド代というと個室をイメージしがちですが、実は個室じゃなくても差額ベッド代が必要になるのはご存知でしょうか?病院の差額ベッド代の仕組みと金額について説明します。


 

入院中の書類

医療保険の肝となる保障は、入院1日あたりに給付金が支払われる「入院保障」です。ただ、この入院保障は保障日数を吸うパターンから選ぶことができるため、何日に設定すべきかが迷うところです。傷病別の平均入院日数から考えていきます。